戴帽式について
「戴帽式」は看護学校の三大イベントのひとつです。三大、と呼ぶのは自分の卒業校の話ですが、戴帽式、国試、謝恩会がメインの3つだったと記憶しています。しかしながら入学する前からこの戴帽式のことを知っていた人は割と多く、中には戴帽式にあこがれて、という人もいました。戴帽式とは、看護師の象徴であるナースキャップを身に着ける儀式のことです。まだ看護師とは認められない学生でも、実習でひとたび院内に踏み入れば医療者の一員として見られます。式は一般的には、学生から学生へと灯していくキャンドルの光だけで会場を照らし、厳かな雰囲気の中で執り行われます。そして代表が看護師を目指す学生としての志を読み上げ、一人ひとり教官からナースキャップを頭につけてもらうのです。イメージとしても美しく、あこがれる気持ちもありましたが、実際に体験してみるととても感動的で、キャップをつけた自分を誇らしく感じたものです。
ナースキャップの起源は、教会のシスターがかぶっていた帽子にあります。キリスト教と看護の間には深いつながりがあり、「万人を愛せよ」という教えのもとでシスターたちが看護を行っていたのが始まりです。帽子が簡素化されて現在のような形になりました。しかし現在、ナースキャップをユニフォームとして着用している病院は少なく、廃止の動きは広がっているようです。理由は@シンボリックなだけで機能的でないA雑菌の温床となるB医療機器に接触して危険である、などが挙げられます。しかし学校においては歴史を重んじて戴帽式という大きなイベントは存続され、実習では学生だけがキャップをかぶり、本物の看護師さんと間違えられるという紛らわしい事態も起こっています。実際、最近のニュースでは「戴帽式」を「継灯式」と改め、キャンドル灯火のみの儀式となった学校もあるようです。時代は移ろうものですね。
男性のナースキャップはどうするの?という声も聞かれます。実は、あるんですよ。女性の丸いフォルムとは違い、ちょっと先のとがったサンダーバード?みたいなキャップです。皆戴帽式一回限りで、後はつけないのが普通のようですね。歴史も大事ですが、機能性重視という昨今の考え方にも賛成できます。こうなればキャップ専用殺菌ボックスなどを設置して、衛生管理しつつ存続をしてみては?などと思うのですが、コストや色々な面から考えてもいずれはキャップ自体が過去の代物となってしまうのでしょう。キャップをつけている病院は時代遅れ、というレッテルを貼られやすいようですが、つけて働いていた自分としてはなくなると少しさびしい気もします。
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