看護師の国試は、毎年合格率が9割前後と高いのが特徴的です。これは学生の勤勉さによってはじき出された数字であり、決して簡単なものではないのです。むしろ単純な出題はほぼ皆無で、難易度は高いといえます。4択のマークシート方式で「正しいのはどれか」「誤っているのはどれか」という設問が多いため、正誤の勘違いをしてしまうとさあ大変!わかっているのに点数が取れないと、大切な結果に響きます。また、正解が二つでその組み合わせを問う問題もあり、じっくり考えて選択しなければ思わぬミスを起こします。選択は慎重に、またその基本としては消去法が有効ですが、中には意地悪な出題もあって受験者を悩ませることは必至です。
悩んだときには、実習を思い出しましょう!教科書にはない、生きた教えやヒントが必ずあるはずです。実習のレポートを書く上で、最初に頭を悩ますのは患者さんの「全体像」の把握でしょう。全体像をつかむためには、まずは解剖生理・疾患の理解が必要です。文字や図解を見ただけではピンと来ないような難しい解剖学的な情報も、担当した患者さんを通してリアルに、より具体的に理解できることもあったのではないでしょうか。これは国試に挑む上で大きな強みになります。症状や治療方針、看護ケアひとつをとってみても、そこには何故それが必要なのかという意味が必ずあります。国試は単純な暗記だけで乗り越えられるほど容易ではありません。実体験に裏づけされた記憶の断片をつなぎ合わせて導く答えは、国試で大いに活用されますし、その先もずっと忘れることはないでしょう。
法規や制度、衛生の動向など実習の管轄以外の分野に関しては、暗記しなければ厳しい問題も出題されやすいでしょう。いま、毎回の国試の傾向からみて暗記が必要といわれるものは、出題範囲全体からピックアップすると、数にしてざっと300ほどあるといわれます。各種参考書なども、こぞってこの暗記の方法などを説いてありますね。これは確実に点を取るためには必要な勉強方といえます。しかしどれが出題されるかわからない点、状況設定問題などの試験の形式から考えても、暗記法よりも多角的な視点で事柄を捉えておく必要があるといえます。実習ではカルテなどから患者さんの情報を見て、実際に患者さんを見て、あるいは訴えを聞いて、ひとつの情報でも様々な側面から考えて理解する勉強法だったはずです。薄っぺらな知識ではなく、より立体感を持って脳に焼き付いているこの情報を、国試でこそ発揮させて良い結果を得たいものですね。