看護師は「正看護師」と「准看護師」に分かれるということは、多くの人がご存知だと思います。ではその違いは何かということになると、はっきりとした答えが出せる人は少ないのではないでしょうか。まず、両者の保助看法による規定は以下の通りです。
<看護師>
構成労働大臣の免許を受けて、傷病者もしくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。(第5条)
<准看護師>
都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。(第6条)
この規定によると看護師が国家資格であるのに対し、准看護師は都道府県知事免許という点が大きく違います。また看護師が主体的に看護を行えるのに対し、准看護師は独立した看護業務は出来ないということになります。しかし指示のもと行える業務はほぼ同じというわけです。医師には准医師という資格はありません。なぜ看護師だけに准資格が存在するのでしょう。
准看護師の制度は、戦後の看護師不足に応ずる措置という形で発足されたものです。いずれは正看護師養成制度への統合や、正看護師資格への一本化なども視野に入れた協議がなされる一方、現在准看護師は看護師総数の約半分を占め、医療界を支えているのも事実です。社会人の看護職への転向、早く医療界で働きたい若い世代などにはありがたい制度かもしれません。しかし准看護師の資格取得者は、いずれ正看護師の資格を目指す人が多いのも事実です。世論や看護を取り巻く情勢からも、現准看護師には正看護師への移行教育が提言されていますが、様々な理由から准看護師制度の廃止は難しいのが現状です。
一本化が必要と叫ばれながら、はや20数年が過ぎている現状には幾分疑問を覚えます。何よりも同じ業種でありながら階級や格差がなくならないというのは、働いている立場にあっても釈然としないものがあるでしょう。実際に准看護師養成学校は減少してきていますし、今後何らかの大きな動きがある可能性も否定できません。今後はこのような制度の変化を想定し、初めから正看護師の教育を志望することが賢明かと思われます。