自己啓発、という言葉をご存知でしょうか。自己をより高い段階へ導こうと努力することで、より高い能力、より大きい成功、より充実した人生、より高い人格の獲得を目指すものです。このことは、看護師にとってある意味義務であり、看護師である以上怠ってはならない大切な看護活動といえると思います。何を取り組むかは個人の問題ですが、例えばスキルアップを目指してひとつうえの資格を取ることや、専門の分野を探求して認定・専門看護師を目指すこともそうです。また読書をすることやセミナーに参加することなども、目的がはっきりしていればこういった活動とみなされます。要は自己の向上を意識した何らかのテーマを持ち、そのためのアクションを起こすことだといえます。日々忙しく煩雑な業務をこなしながらも、休日には休み返上で自己啓発活動とは、よほどの高い意識がないとできないことです。
看護師の仕事は、単調な仕事を同じペースで日々行えるものではありません。同じ疾患でも患者さんによって症状や治療は異なり、同じ患者さんでも日によって状態は違います。ちょっとした状態の変化やサインを見逃さないためには、神経を研ぎ澄ませて患者さんを見る目を養うことが必要です。経験豊富な看護師ほどその感覚は優れているものですが、それは現状に満足せず、更に上を目指す姿勢があってこそ磨かれる素質というものです。看護のスペシャリストという意識を持ち、苦手な分野の克服でも、得意分野の更なる向上でも、日々の援助活動に活かせるスキルや知識を習得する努力は欠かせません。
色々な自己啓発がある中でも難しいと考えられるのが、精神的な面での自己の向上に関する啓発です。思考法やセルフコントロール、集中力などを身につけるための活動だといわれます。これらは看護の分野とは直接関係ないようであって、深い部分でのつながりが強くあります。このような自己啓発のためのセミナーや活動は、時として看護師や色々な職種を対象に開かれている模様です。
また、コミュニケーション能力は看護にとって必要不可欠で、これを極めようというのは並大抵の努力ではできないことです。「患者-看護師」の関係もさることながら、「人間対人間」の関係を確立することが重要だということは、トラベルビーに代表される人間関係理論によって確立、重視されてきました。看護師として働いていると自分を見つめる機会が多く、おのずとこのような壁に当たるものなのです。それは看護観や理念といった深い部分で大切な、看護師の人としてのあり方が常に問われているからです。看護師は自己啓発を通して常に成長していく必要があるのですね。