看護師の「資格」と「資質」

看護師を志す方の多くは、看護師という職業に何らかの魅力を感じ、情報あるいは経験などから看護師のイメージを持っておられると思います。志す理由はどうあれ、誰しもイメージが湧かない職業に就こうとは思わないはずです。逆に言えば、看護や医療といった分野は日常生活とのつながりが深いため、身近に感じている証拠と言えるのではないでしょうか。また看護の概念は、古来より「自分以外の他人の世話をする」という、いわば本能のように人間が有する能力のひとつともいえます。その対象は肉親から始まり、いつしか血縁のない他人にまで広がりを見せ、やがて今日の看護に至ったと考えられています。身近に感じられる理由は、「看護の心」が万人に共通する「思いやりの心」であることに他なりません。看護師を志しているあなたは、思いやりを他に向けることができるという時点で、もうすでに看護師の「資質」があると言えるのです。

確かに、資格を取得するまでの道のりは決して簡単ではありません。国家試験に受かれば看護師にはなれますが、最も重要なのは取得に至る学習の過程と体験にあります。実際のところ学校では、人体の構造から疾患の理解など看護師に必要な知識の習得はもちろん、人間の本質や、学校生活・実習の中で人間関係の基本を学び、看護師としての大切な基盤となる「看護の心」を実体験から学びます。生きた教えというのは、身に染み付いて忘れないものです。国家試験はこのような学習すべての集大成ともいえ、看護師資格には体験により育てた看護師としての「資質」も含まれるのです。

看護師の魅力は言い尽くせないほどたくさんあります。資格そのものは一生ものですし、需要も多く社会的地位もずいぶん向上しました。責任が重く、重労働や過酷な勤務体制などが問題にもなりますが、喜びや充実感は非常に大きい仕事です。また機械ではなく人間相手ですから、相手から感謝されたり、相手から学ぶこともたくさんあったりと、人としての成長も見込めます。やりがいを感じられない仕事を続けることは困難ですよね。自分が人や社会の役に立っていると感じられることはすばらしい事です。

誰もが「自分は看護師に向いているのだろうか」と自問し、悩む時はあるものです。資格を取るまでも、また看護師になって仕事をしながらもその「壁」と向き合う場面は出てきます。そんな時はあなたが看護師を志した動機を思い出し、なりたい看護師のイメージをもう一度胸に思い描いてみましょう。その答えは、「向いているに決まっている」です。なぜなら、看護師を志した時点であなたの中には看護師としての資質が十分にあるのですから。


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